世界にはいろんな言語がありますが、本記事では大学で学べるメジャーな言語を取り上げます。
フランス語、ドイツ語、スペイン語、ロシア語、アラビア語、中国語、朝鮮語の7つです。
当方、フランスでの留学経験があります。
あとヨーロッパ諸国に旅行で行ったりしたので、その国で英語が通じるのかとか、実用的な観点から紹介します。(フランス語以外は独学で習熟レベルは低いのであくまで参考程度に)
大学での第二外国語選択は、わりと単位の取りやすさが重視されると思いますが、
単位の取りやすさについては、言語自体の難易度より授業(先生)の難易度に左右されます。
楽に単位を取りたい人は先輩に「楽単」を聞き出せばよいでしょう。
「語族」は言語学用語なのですが、要するに言語のファミリーです。
同じファミリーの言語は単語や文法が似ているので、複数の言語を学ぶ時に相乗効果が生まれます。例えば、フランス語comprendre=英語comprehendです。
このように、単語を覚える時に似た単語があるのでちょっと覚えやすくなります。
・インド・ヨーロッパ語族(印欧語族)
・・ゲルマン語派:英語、ドイツ語
・・イタリック語派:スペイン語、フランス語
・・バルト・スラヴ語派:ロシア語
・アフロ・アジア語族:アラビア語
・シナ・チベット語族:中国語
※日本語と朝鮮語は系統が明らかになっていません。
私が第二外国語として履修したのがこれ。まあなんとなくで選んだのですが。
・難易度
発音はややムズ。'r'の発音が特殊、母音の数が12個(鼻母音もいれると+4)と多い。
スペリングから発音が大体決まるのでそこは英語よりラク。
文法は英語よりは難しいです。
男性名詞と女性名詞の区別があります。
でも、英語の文法の知識があれば大丈夫です。
・実用性
実際にフランスに来て驚きました。英語が全然通じない。
パリならまだしも、地方都市だと特に、フランス語での会話が基本です。
フランスに留学する予定の人は必須。
学部間交流では英語開講の授業は基本的にありません。
大学院の研究室とか研究機関に派遣なら英語を使えますが。
どのくらい英語が通じないかというと、移民局での手続きや銀行口座の開設もフランス語で行うレベルです。
また、アフリカの元フランス植民地出身の人々はフランス語を話すので、彼らとコミュニケーションをする時にはフランス語を使います。
国際機関で働くには英語に加えてフランス語ができると、仕事の幅が広がるでしょう。
・難易度
発音の難しさは普通。rの発音がちょっと特殊なくらいで、スペリングから読みが大体わかります。
文法は複雑な格変化があったり、名詞に男性、女性、中性の区別があったりとかなり複雑。
集中しないとテストとかで凡ミス連発してしまいそうです。
・実用性
ドイツの都市部では英語は普通に通じます。
ドイツで暮らすのにドイツ語は必須ではありませんし、交換留学では英語開講の授業もあります。
ただし、大学やプログラムによってドイツ語開講のみのところもあります。
ドイツに留学予定の人はどちらにしても習得が必要です。
ドイツ語は言語学的には7言語の中で最も英語に近い言語です。相乗効果で効率的に学べるところがメリットです。
・難易度
発音は簡単。ざっくり言って、母音はアイウエオの5つしかありません。
文法の難しさは普通。男性名詞、女性名詞の区別があります。
時制が「過去未来完了」やら「点過去」やら英語より多くて若干難しいですが、英語と同じファミリーなので、英語の文法がわかれば問題ないでしょう。
・実用性
スペインの都市部では英語は普通に通じるそうです。
また、メキシコやペルーなど中南米出身の人はスペイン語を話します。
私はフランスに留学中けっこうスペイン語圏の人に会ったので、スペイン語が話せると良かったな、と思います。
また、ポルトガル語とスペイン語は互いによく似た言語です。
スペイン語が話せれば、自動的にポルトガル語も理解できる、ということにしちゃって大丈夫です(笑)
・難易度
まず、文字がラテン文字ではなくキリル文字なのでそこから覚える必要があります。
文法はやや難しい。
英語でいうbe動詞が不要だったり、過去・現在・未来の3つだけだったり、わりと無駄を省いたシンプルなシステムだと思います。
ロシア語は動詞の数が多いですが、私としては同じ単語に18個も意味があるより、最初からニュアンスによって違う単語がある方がやりやすいですね。
ここは好みが分かれるところです。
発音は厳密に正しい発音をしようとすると子音が難しいです。
巻き舌とか「チャ」「ジャ」に似て非なる音とか。
・実用性
ロシアに渡航するには旅行でもビザが必要と、心理的にもちょっと遠い国ですが、交換留学では英語開講の授業があります。
サンクトペテルブルクに留学していた友達曰く、日常生活で英語は通じないそうです。
旅行する分にはロシア語が話せなくて困ることはないと思いますが、ロシアに半年以上住む方はロシア語が話せたほうが良いでしょう。
また、ロシアはアメリカに並び宇宙開発の最先進国です。
その分野に興味があれば、ロシア語の能力は大きなアドバンテージになるでしょう。
ちなみに、宇宙飛行士になるにはロシア語必須です。
・難易度
文法も発音もとても難しい。
まず、文字を覚えるのがかなり大変です。
文法に関しては、名詞に「単数」「複数」「双数」の区別があります。
それぞれ語末が変化します。あと、格変化もあります。
母音はなんと、「ア」「イ」「ウ」の3種類だけ。
が、簡単かと思ったら大間違いで、アラビア語は母音に無関心な言語なのです。
というのも、文字を見ただけではどの母音を発音したら良いのかわからない。
例えば、アラビア語で「エジプト」は「مصر」なのですが、無理やりラテン文字に直すと「MSR」です。
そう、母音が入ってないんです!ネイティブは余裕で「ミスル」と正しく発音できますが、初学者がここらへんの勘を身につけるのはめちゃくちゃ大変そう。
アラビア語は日本人だけでなく英語スピーカーにとっても、とっつきにくい言語といえるでしょう。
・実用性
UAEなどの地域では英語が問題なく通じるそうです。
アラビア語の教科書体?で読み書きができたとしても、変なフォントで書かれたら全くわからなくなります。
さらに、話し言葉は地域によって方言がキツイらしいです。
ということで、アラビア語を学んでもあまりメリットはない気がします。
中国語と言っても大陸と台湾では漢字の表記がだいぶ違います。
大学では普通、大陸(中華人民共和国)の普通話(標準中国語)をやるんでしょうか?
・難易度
発音がとんでもなく難しい。
例えば、{ma} の発音だけで19通りもあります。子音、母音に加えて声調も区別されるので、短い単語でもパッと発音できるほど単純ではありません。
基本的な単語の「你好(ニーハオ)」にしても、正確には「nǐhǎo」なんですよね。「ニー↗ハオ↪」?
中国語の文法は無駄に複雑でもなく、かといってシンプルすぎず、難易度は普通です。
漢字でなんとなく意味がわかるので、読み書きなら、日本人には大きなアドバンテージがありますね。
ただ発音が激ムズなので、習得がとても難しい言語であることには変わりありません。
・実用性
中国では全体的に英語は通じないそうです。現地で暮らす場合は中国語の習得が必要ですね。
また、中国はいろいろな面で存在感が大きい国です。
これからますます重要なアクターになってくるでしょう。
読み書きだけでも、中国語が理解できれば大きなアドバンテージになりそうです。
・難易度
文法・語彙ともに日本語に共通する部分が多くあり、朝鮮語は日本人にとって難易度が低いといわれています。
ハングルは李氏朝鮮第4代王の世宗によって発明された非常に合理的な表音文字です。
文字をみてどう発音すれば良いのかがわかります。
・実用性
韓国での英語レベルは日本と同じくらいだとか。
お隣の国ですし、朝鮮語が話せればいろいろと便利かもしれません。
まとめ
言語は文化です。言語を学ぶことで、その言語圏の文化まで学ぶことができます。
機械翻訳が進歩して外国語を体系的に学ぶ必要性は薄れつつありますが、自ら言語を学び、その文化を知ろうとする姿勢は大切なのではないでしょうか。
新大学1年生は、良いキャンパスライフを!